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選ばれる学校づくりを実現する広報担当 後編

2017/03/31

「選ばれる学校づくり」を実現していくにはどうしたらいいのか、をテーマにした第2回の記事。

 

前編では、「選ばれる学校づくり」に必要な以下の3点について解説した。

 

・学校の「特色」を一言で表すと?
・教育理念を短く表現する方法と理由
・教育方針と学校の特色を紐づける

 

<<<前編はこちらから

 

後編では、以下の2つについて解説していく。

・学校の魅力と広報活動をリンクさせる
・競合校との差別化を図る

 

 

3. 学校の魅力と広報活動をリンクさせる

学校の魅力を広報活動と紐づけていく作業について。前編の言葉遊びから、一気に現実へと反映させていこう。

 

ここで大切なのは、「学校の魅力」が必ずしも「学校の特色」と全く同じではないということ。「学校の魅力」とは、学生から見て魅力的に思う部分だ。

 

特色が「合格率の良さ」だとしても、競合他校と0.0何パーセントしか違いがないのであれば、学生にとっては魅力的には映らない。それを「10人に9人が合格」と表現し「魅力」とするのか、もっと他の特色に目を向けるのかは広報担当次第だ。

 

 

学生が学校選びで魅力を感じるポイントは大きく分けて6個ある。自分の学校の取り組みを当てはめ、それを魅力に昇華させていこう。

 

 

①学び

●年間授業時間数

専門学校の1年間の授業時間数は最低800時間以上(夜間の場合450時間以上)。多くの学校では1000~1200時間あり、学ぶ内容が多い分野では1600時間くらいになることもある。長ければ長いほど良いか、短いが効率的に行っているのか、表現の仕方を決めよう。

 

●先生の数や経歴

少人数制でみっちり、大人数で楽しい学校生活、等、見方は様々である。特別講師やゲストがいる・今後呼べる場合も魅力となるだろう。先生方の学歴や職歴も、授業内容や質を判断するヒントになる。

 

●実習をはじめとする特別イベント

「全授業時数のうち、実習が占める割合はどれくらいか」「実習は最新の技術が身につく実践的な内容か」などは、「手に職」系の分野では特に重要。ほかにも、海外研修やショー・コンテスト、発表会など特別な体験を通して実力を養う機会があるかどうかも大きな魅力になる。

 

●資格取得に関すること

国家資格をはじめ、仕事に欠かせない資格や仕事に役立つ資格など、どんな資格を目指せるかということは、とても大切。資格取得のための試験がある場合、対策講座や個別指導などで、どの程度サポートできるかも魅力である。「徹底サポート」と表記するのではなく、しっかりと特色を捉えた魅力出しをしよう。

 

 

②施設・設備

●機材や設備の数、新しさ

実習に使う機材やパソコンが数が足りているか?新しいか?古い場合は魅力にはならない。だが、新しい場合は「最新機器」だけでなく「なぜそれが現場で役に立つのか、どんな職業人になれるのか」を伝えていこう。

 

●校舎の場所、教室の数・広さ、トイレなど基本的な施設

アクセスの良さや校舎の広さ、教室の数、といった「学校生活」が透けて見える情報も大切だ。実習施設が近くにあったり、自転車を貸し出してくれるような学校もある。細かなことだが1つ魅力として提示するだけで「そこまで気配りしてくれる学校」と好印象を与えることも多い。

 

●特別な設備・施設

先生の手元がみられるように天井に鏡があるキッチンスタジオ、ダイビングの資格を取るために学校内に完備されたプール、英国文化を体験できる研修施設など、特色ある施設・設備があればどんどん出していこう。これによって実力がつくか、またやる気がアップするか、ということも学校選びのポイントになる。

 

 

③就職指導・サポート体制

● 就職実績

「就職率」=「就職した人数」÷「就職希望者数」×100。このため就職希望者数が全体の何割なのか、中退者はどれくらいなのかも出せるだろうか。せめて出している数字がいつのものか、人気の専門分野に限った就職率は全体のどれくらいかなどは載せていこう。

 

● 資格試験の合格率・サポート体制

国家資格や資格検定を目指す場合、難しい試験や授業をクリアする必要がある。学校がどれだけ実績をあげているか、個別指導や学習スペースの開放など、どれだけサポートしてあげられるかもアピールポイントとなる。

 

● 中退率

入学したけれども、なんらかの理由により途中でやめてしまうのが「中退」。その割合を積極的に公表している学校は多くないけれど、入学者数と卒業者数の差から推測したいという学生もいる。誇れるポイントであるならば数をあげるのも方法の一つ。

 

④雰囲気・評判

 

● 在校生、先生の雰囲気

オープンキャンパスなどのイベントでアンケートを取るなど、「実際どう感じるか」という声を聴いてみると参考になるだろう。競合他校を実際に除きにいき雰囲気を比べてみると良い。

 

● 授業の様子

模擬授業、授業体験などのイベントだけでなく、普段の授業の様子はどうか。広報活動へは写真を使うもよし、動画で伝えるのも良し、在校生・卒業生へのインタビューなどでも授業の実際をアピールすることができる。

 

 

⑤学費

● かかるお金

入学金、授業料などの学費に加えて、教材費や実習費、初年度と総額、全てを見て競合校よりも優位に立てる条件を見つけよう。高い学校の場合はその理由はなぜなのかまで嚙み砕くことができれば、刺さる層には刺さる。

 

● 奨学金、特待生制度、学生寮の有無

国や自治体による公的な奨学金のほかに、学校独自の特待生制度や授業料の減免制度がある場合、大きな訴求ポイントとなる。誰にどの奨学金が刺さるのかターゲットを考えよう。学生寮や提携マンションの有無も魅力の一つになる。

 

 

⑥入学選考方法

● 書類選考か、筆記試験か

専門学校は、高校が用意してくれる内申書などの書類と自分で用意する願書をもとにして書類選考を行うケースが多い。その場合、定員に達し次第締め切りとなるので、人気校の場合、早めの応募が大事。早ければそれが「早期出願」を促す煽りになり、逆に応募期間が長ければそれも魅力になる。

 

● AO・推薦入試の内容と時期

AO入試は学校によっては6月からエントリーが始まり、8月に手続き完了と、早い時期に行われる傾向がある。推薦入試は10月中に受け付けが始まり、合否発表となるのが一般的。こちらも選考の場合と同じで、入試の内容や時期に学校の特色があれば魅力にしていこう。

 

 

4.競合校との差別化を図る

さて、自分の学校の特色・魅力を固めたら、最後は競合校と戦っていく戦略を考えよう。マーケティングの観点から言うと競合に勝つために必要なことは圧倒的にリサーチ。リサーチして分析・仮説を立てることが9割だ。あとの1割は「じゃあ自校はこうしていこう」と決める最後の一歩でしかない。

 

学校によって他校の情報がどれだけ入ってくるかはまちまちだと思う。広報担当の知り合いがいたり、高校から聞いたりと草の根方式で情報を仕入れている人が多いのではないだろうか。もちろんそういった情報が入ってくる経路は大切だが、対象の学校が偏っていたり、人の感覚値に頼った話だったりしては意味がない。「ただの噂」レベルになってしまうと「競合リサーチ」とは言えないのだ。

 

競合リサーチに関しては、定期的・持続的である方法を持っておこう。以下のことを、月に1回この日にやる!と決めて調べる。競合リサーチをして記録をつける習慣を身につけないとしっかりと戦略を立てるのは難しいだろう。

 

・競合のホームページチェック

-新しくキャンペーンを張っていないか?

-オープンキャンパスのコンセプトや種類は何か?

-力を入れている学科はどこか?

 

・競合の集客施策をチェック

-リスティング広告での文言を変えていないか?

-バナー広告のデザインを変えていないか?

-SEOの順位は?

-サイトのトラフィックは?

 

少なくとも競合校5校ほどは抑えておきたい内容だ。最近はニューストピックスやSNSでキャンペーンを発信しているサイトも多いため、競合が今何の施策を打っているかは比較的掴みやすい。無料でできる競合チェックツールも出ているので、トラフィックを覗くことも可能だ。「ここのサイトはうちより流入数が多いな」ぐらいの感覚値ではなく、「先月よりうちは減ったのに向こうは増えてる。なぜだろう?」と分析していけるようデータを溜めていこう。

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